これらの条件に自然、特に地形条件があり、ゴルフコースの適地とは、適度なアップダウンがある地形が望ましいと考えています。
戦略性もなく、頭脳プレーもなく、ゴルフが単なる散歩の世界になってしまってはプレーの楽しさを味わうことはできません。
適度に難しいコース、戦略性のあるコースこそ、どのレベルのゴルファーにも面白く感じるのではないかと思います。
好スコアは正しい読みと正確なプレーによって生まれることを忘れてはいけません。
それが良いコース作りの第一条件であり重要なポイントであります。
ゴルフの神髄は、自然を愛し、健康を保ち、そして快適な会話を楽しむことだと思います。
ゴルフはスポーツであります。
必要以上の手入れの行き届いたコース、豪華なクラブハウスと設備、そして過剰なサービス、それらはどれもスポーツ施設としての域を逸脱していると言わざる得ません。
ゴルフ場はひと握りの人々に独占させることなく、広く大衆一般に開放され、誰もが楽しめる場として利用されることが望ましいと考えております。
日本はゴルフ大国ではありますが、ゴルフ先進国ではありません。
一日でも早く先進国に近づきたいと我々は考えます。
スコットランドの海岸沿いを何度か旅をし、雨の日も風の強い日も、ゴルフはアウトドアスポーツ、自然を相手にして闘うファイティングスポーツとして、それを楽しむかのように淡々とプレーしている地の人々の姿を見るにつけ、快晴無風の日をゴルフ日和と考える日本人とは、ゴルフに対する考え、意識に大変な差を感じざるを得ません。
人間生活を精神的にも肉体的にも豊かにしてくれるものを、文化と呼ぶなら、ゴルフは素晴らしいスポーツ文化です。
コースは適度な難易度を必要とするのは当然ですが、プレイを早めるということになれば、トラップの数を減らし、ラフの少ないフェアウェーだけのコースが面白いといえます。
オーガスターナショナル G.C は 1998年までラフがありませんでした。
フェアウェイは適度な傾斜と柔らかいマウンドで、戦略性と難易度を演出すべきだと考えております。
ランニングコスト (コース管理費用) を考えた場合、ランディングエリア (Landing area) の芝地は当然必要ですが、ティーグランド前 80ヤードやプレイ上余り必要のない芝地はウエストエリアにしたり、芝以外の他の植物を考え、管理面積を減らすべきです。
農薬の使用が厳しいゴルフ場であれば尚更です。
しかし重要な部分の芝地は土壌改良をしっかりやり、健康な土造りが必要となります。部分部分の必要 (重要) 性を考え、管理費用の出来るだけかからないコース造りが求められます。
「ゴルフはスポーツである」 を基本理念に、これからのコースはプロ (トーナメント) 用とアマチュア用に別れていくと思っております。
特に高齢化時代に向かい、老人健康維持用コースも必要となるのではないでしょうか?
これからの時代、コース造りは自然を大切にし自然に寄り添った、誰でも気軽に楽しめる要素が必要でです。
そして商業ベースにあったコース造りがより一層求められるのです。