そのポイントとは、バンカーを美しく見せる砂の色、難易度を決定付ける粒度、そして粒形もまた排水の問題からも重要です。
使用される砂には山砂、川砂、海砂、湖砂、砕砂などがあります。
山砂、川砂、海砂は山や川、海で採れる砂、湖砂は湖周辺で取れる砂です。
数少ない湖砂は青森県小川原湖産がとても有名で、グリーン床砂としての需要も多く、粒形が丸く角が取れていてとても美しい砂です。
砕砂は主に大理石を砕いたものが多く、特徴としては不純物が少なく白さは他の砂に勝るのですが、角がするどく尖っているのが特徴です。
最近、ゴルフ場のコントラストを出すためか、白いバンカー砂を採用している所が多く見られますが、バンカー砂には下記のような、一般的な選定基準があるので参考にしていただきたいのです。
■ 使用コ一ス : 名古屋 GC 和合コース、春日井 CC、三好 CC、霞ヶ関 CC
川砂は規制が厳しく輸入が多い
■ 使用コ一ス : 白山 GC (群馬県)
■ 使用コ一ス : 使用コ一ス : オークビレッジ GC、富士スタジアム GC
角が丸みを帯びているのでグリーン砂としても有名
■ 使用コ一ス : 夏泊 GL (青森県)
大理石を砕いた砂、見た目は白く美しいが砂質が軟らかく軽いため、目玉になりやすい
■ 使用コ一ス : 千代田 CC (茨城県)、浜野 GC (千葉県)
色の白い砂は見た目に美しい為人気があるので、最近数多くのゴルフ場で使用されるようになりました。
色だけでなくプレー上の問題から、フェアウエーバンカーはボールが沈みにくいように固めの砂を使い、ガードバンカーは入れたらペナルティとの考え方から、柔らかくて目玉になりやすい砂を使うというゴルフ場も数多いようです。
しかし質の違う2種類の砂を使用することは、将来的にコストアップにつながると思われるので賛成はできません。
見た目の問題 (砂の色) 白く見える砂に人気があるのは確かですが、白く見えるといっても限界があり、砂自体が真っ白なものはボールが見にくくなってしまい、景観は美しいがプレーヤーにはあまり喜ばれません。
茶色がかった砂でもバンカーに入れると白く見えるので注意が必要です。
湯田珪砂やトロピカルサンドなどはボールが見にくいだけでなく真夏の太陽下では、かなり眩しく感じるので要注意。色としては、鹿島、中国砂でもバンカーにいれるとかなり白く見えます。
プレー上の問題 (難易度) バンカーショットでは、砂の粒子が粗く固いほど簡単であり、反対に粒子が細かく柔らかいほど難しくなります。
鹿島、高萩、小川原湖産などは砂の粒子が粗く固いのでバンカーショットでは出しやすい砂と言えるでしょう。
湯田珪砂やトロピカルサンド及び大理石を砕いた砕砂 (福島県小野町産) は粒子の細かいものを選ぶと、目玉になりやすく脱出にも技術が必要となり難易度は高くなります。
特に見た目の白さを追求し砕砂 (大理石を砕いたもの) を使用する場合は 0.25mm 以下はなるべく除去するようにしたいものです。 (排水問題もあるため)
サンドグリーンを造成する時と同様、透水性のチェックが必要。粒形は丸みのあるものを選ぶ。(鹿児島県吹上砂、鹿島、小川原産、可) トロピカルサンド、中国砂、砕砂は粒形に角があり不可。粒度部分布に注意し、0.25mm 以下をなるべく少なくする。(0.25mm 以下のシルト、粘土は目詰まりの原因)
設計者の特徴とも言える、バンカーの配置や形の素晴らしさからある程度白っぽい砂を選ぶべきと考える (特徴が映えるため) 鹿島産、高萩産、小川原湖産など
外国人の設計は、バンカーが多く難易度もかなり高いので脱出しやすいものを選ぶ (砂の粒子が粗く、固いもの) 鹿島産、高萩産、小川原産など
その他、大雨の時でも砂が流れることがないよう、細かな暗渠排水を取っておくことをお薦めします。