サンドグリーンのサンドとは何か?読んで字のごとく砂を下地にしたグリーンのことです。
一番下に排水管を通し、そして 30cm ~ 40cm の厚さで砂を敷く造り方というわけですが、砂の下に 10cm 程度の厚さで砂利を人れる造り方もあります。
どちらがいいか一概にはいいにくいのですが、砂利を人れると下から毛細管現象で上がってくる水が、砂利のため遮断されるきらいもあります。
その反面、排水は平均して良くなるのです。 (日本では年間降雨量が多いので砂利を入れる造り方が主流となっている)
いずれにせよ、砂で造るグリーンをサンドグリーンと呼びます。
昔のグリーンはローム質の土や黒ぼくといわれる土に砂を混合して造っていましたが、これだと踏まれるうちに固くなり、水が浸透しにくい上に通気性が悪く、芝の生育も悪くなり、病気などが出やすくなります。
おまけに硬いところと柔らかいところができて、グリーン面が、でこぼこしやすかったのです。
下地が砂だけなら、踏まれても固くなりにくいし、通気性も良いから大雨が降ってもグリーン面に水が溜まらず、排水性はバツグンに良いのです。
芝の生育にも良いし、硬さが一定ででこぼこしない。
グリーンに求められる要素の多くがサンドにあるというわけなのです。
もうひとつサンドグリーンが注目される理由は、芝の種類にもあります。
最近のグリーンはベントが主流になってきているのでサンドグリーンだと手入れ次第で一年中、すばらしいパットが楽しめるのです。
そのベントにはサンドグリーンが最適なのです。
ちなみにサンディグリーンとは、土もいくぶん入っているが、砂の割合が多いグリーン。
とにかくこのようなサンドグリーンのおかげでスムースに良く転がり、アンラッキーのないパットが楽しめるのです。
- 使用顕微鏡 -
オリンパス システム生物顕微鏡BH-2
- 使用レンズ -
NFK撮影専用レンズ
- 倍率 -
2×10 20倍にて撮影
芝刈りをするときの刈り高 (冬場のグリーンは 5mm 程度でカットされている) と芝に与える肥料の量で早さが変わってきます。
短く刈り込めば刈り込むほど、また肥料を少なくすればするほど、グリーンは速くなります。
しかし無理に短く刈り込んで肥料を少なくすると、踏まれた芝が擦り切れ禿げてしまい、張替が必要となってしまいます。
また肥料を与えすぎると生育が良過ぎ、転がりが遅くなってしまいます。
肥料過多は伸びが早いので、午前より午後の方がスピードが遅くなるのは良くある話です。
ベントグリーンとコウライグリーンがあるゴルフ場では、冬場 (真冬) コウライグリーンを使用している所が多いのですが、これの速さは別物です。
刈り高や肥料の量でグリーンの速さが決まるのではなく、擦り切れの程度で早さが決まるのです。
冬場のコウライグリーンのパットは、グリーンを見る目が必要になってくるのです。
ふだん使われている平坦なやさしい部分は、プレーヤーに踏まれ擦り切れていてとても速いのですが、傾斜のきつい所は芝が立っていて遅いのです。
冬のコウライグリーンは速いと思っても、遅い所もあるのでくれぐれも注意して下さい。
同じグリーンでも速いところは 3m00cm ~ 3m30cm にもなり、擦り切れてない部分は、2m40cm ~ 2m60cm 程度でその差は 60 ~ 70cm にもなるのです。
トーナメントでは、グリーンの速さが 3m00cm ~ 3m30cm 程度の所が多いようです。
これは、一般コースのように、刈り高や肥料での調整だけでなく目土 (目砂) を回数多く入れたり、芝をすき取ったり、ローラー転圧を何回も行ったりして、3m 以上をだすのです。
一般営業でトーナメントのように速くすると 3パット、4パットが多くなり、スロープレーの原因ともなります。
一番適当な速さ (シングルプレーヤーからも遅いと苦情の来ない程度の早さ) は 2m50cm ~ 2m60cm が良いと考えます。
パットが入れば良いグリーン、入らなければ悪いグリーンなどと、その日の調子には関係なく、良いグリーンに出会ったらグリーンキーパーを誉めてあげましょう。
大自然と毎日闘ってゴルファーのために最良のコンディションを提供してくれている人ですから。
計測はスティンプメーター (STIMP METER) 使用
ゴルフ場のパッティンググリーンのスピードと均一性を測定する用具。
幅 4.4cm、長さ 91.4cm、厚さ1.9cmのアルミニューム製の厚板状で、ボールの走路になる表面は浅い V字状 (角度 145°) の溝になっている。
1974年に発表されたスティンプソン (Edward S.Stimpson) の考案をベースにして、USGA (米国ゴルフ協会) の技術部長トーマス (Frank Thomas) がデザインしたものである。
グリーンスピードの測定には、平坦で均一な場所を選ぶことが大切であり、一方向にボール 3個ずつ転がして止まった地点が 20cm 範囲内であること、また正逆方向の距離差が 45cm 以内であることが要求される。
ボールが曲線を描いて転がるとか、上記の 20cm、45cm 以上に散らばった場合は、その測定場所は不適当と判断され、そのデータは使えない。
測定時の天候、グリーンのコンディションも記録する。
(一季出版株式会社芝草管理用語辞典より)